「慈愛会ひだ」の理念 ~私たちの思い~

 

 死を迎えるのに恐怖を感じるのは、人としてごく普通で自然なことです。

しかし医療や福祉のケアの現場で、スピリチュアルペイン(死に対する心理的な苦悩や恐怖)に対応するケアが実施されている環境はきわめて稀です。なぜならスピリチュアルケアを実施しても、保険点数が付かないため、経営者側がその導入にあまり積極的ではないからです。ホスピスなどの緩和ケア病棟でも、実施しているところは数えるほどしかありません。

 

 現在8 つの大学やNPOで「臨床スピリチュアルケア師」「認定スピリチュアルケアワーカー」

「認定臨床宗教師」を養成して、その数は全国で1000 人になろうとしているにもかかわらず、その人たちの活躍する職場(場面)は限られています。国や施設からの要請を待っていてはいつまでも「死の恐怖におびえる人々」へは届かないのが実態です。

 いのちの終わりを迎えようとしているご本人だけでなく、ご家族も同様に不安や悩みを抱えています。しかしそのこころの内を話せる場はそれほど多くありません。

 また、大切な人が旅立ったあとの悲しさ、寂しさ、孤独感にさいなまれている人は少なからずおられます。

 

 そこで飛騨高山を拠点に有志が集い、2023年5月3日に市民活動団体「慈愛会ひだ」を立ち上げました。慈愛会の目的は、「慈悲と愛の精神で、社会の諸課題にコミットする地域密着型、多職種連携型のケアグループ」です。

 少しでも皆さまのお役に立ちたいとの思いから地道な活動を行っています。趣旨にご賛同いただける方やご協力いただける方からのお力添えをお待ちしております。